<大阪府北部地震・台風21号>大阪府吹田市での活動報告

 今年6月18日に発生した大阪府北部地震は、吹田市や茨木市を中心とした大阪府北部の多くの家屋に被害をもたらしましたが、その復旧作業も終わらないうちに9月上旬には台風21号が近畿地方を直撃、特に瓦屋根がずれたり飛ばされたりした住宅では、この台風や後に続いた風雨による雨漏りによって被害が拡大しているようです。

 そうした被災家屋の復旧作業に参加したメンバーの活動まとめです。現地の被災状況と対応の様子が簡潔にまとめられています。

<ご注意下さい>

 記事内容は活動当時のもので、現在は状況が変わっている場合があります。

 各記事冒頭に明記しております「活動地域」と「活動時期」をまずご確認頂き、現状とのギャップがあり得ることをご認識のうえお読み下さい。

報告メンバー/大久保さん

活動地域/大阪府吹田市

時期/平成30年9月22日~23日

吹田市災害ボランティアセンターを通して復旧支援活動に参加しました。

被害内容

 2018年台風21号がもたらした一次被害として、強風による屋根瓦の損壊が大多数であった。他には、建造物(プレハブ物置など)の倒壊、風に飛ばされ物置そのものが消失した(おそらくどこかで何かに接触し相応のダメージを与えていることだろう…)など。そして二次被害としては、通常クラスの降雨による雨漏り、そして浸水。今般の被害連鎖は以下となる。

 

強風で屋根が傷む

(または6月の大阪府北部地震による被害の修理が間に合わなかった)

降雨による屋根の傷んだ部分から雨漏り

浸水。天井、壁、床、畳、家具などに被害

 

 その結果、浸水してしまった室内を乾かす手段や濡れてしまった家財を運び出すパワーのない独居世帯などでは、大量のカビが発生し健康への悪影響、家屋の傷みが深刻なものとなっている。

事象経緯

 台風の去った早い段階で屋根補修を行った(行えた)世帯は、降雨以降の被害はない。しかし、屋根補修を要望すれどニーズが多すぎるために順番待ちとなっていた世帯が、その後の通常クラスの降雨により浸水被害を受けることとなってしまった。

 ★編者補足:今夏の地震や豪雨のため、補修にあたる業者も非常に忙しく、

何ヶ月というような順番待ちが生じているとも聞きます。

ボランティア対応

 この状況を受けて、吹田市災害ボランティアセンターでは、大きくは二種類の対応を行っている。

 

 一つは、ビニールシートで屋根を覆う暫定補修作業。

 これはこの先の降雨に備えるためのものだが、屋根に上るスペシャルチーム(一般ボランティアでは、技術的にも、高所ゆえの危険度的にも厳しく)の人員は限られたものであり、需要に対して供給が追いつかない状況。

 

 もう一つは、すでに浸水し室内に被害のある世帯にて、畳や家具などを屋外へ搬出する作業。特に水を吸った畳は成人男性5~6人でようやく動かすことが出来るくらいの信じがたい重さである。

 また、天井や床などに発生したカビを人手で拭き取り、カビ防止剤を噴霧し塗り込む作業も行う。

 畳や家具が再利用可であれば野外で乾燥の後、屋内へ搬入。不可であれば廃棄、となる。

 いずれも住宅再建のとりかかりとなる大変だが大切な作業だ。

私見

 これまで私が経験した復旧支援活動は、浸水被害に対するものが多い。それは主に家屋の1階部分で発生したものであった。

 しかし今回の台風被害においては、屋根のダメージゆえに2階部など上層階での被害が多く見受けられた。その場合1階での生活が可能であるため、高齢者にとって不幸中の幸いではあるのだが…被害箇所が階上であるため、階下に比べ作業負荷が大きくなり、これが自己復旧を妨げる要因となっているように感じた。

 

 また、ボランティアセンターを開設していても、その事実やその活用の仕方を知らない(伝わっていない?)世帯が多いらしい。今回の訪問宅でも「全然知らんかった」という声がよく聞かれた。潜在ニーズはまだまだありそうでそれも課題の一つであると感じた。

まとめ

 9月22日、23日の二日間という短い期間の活動ではあったが、作業内容は多岐にわたった。水を含んだ畳の搬出、室内清掃、倒木撤去(根っこが厄介)、屋根養生用のブルーシートの裁断、等々。

 作業に伴いそれなりの疲労はあったが、家主さんの嬉しそうな笑顔が疲れを吹き飛ばしてくれる、そんな感覚を久しぶりに味わうことができた。感謝されるためにではなく、人の喜びが自身の喜びになることをあらためて感じることができた週末となった。

 当レポートは報告メンバーのFacebookへの投稿をもとに、メンバーの許可を得て編集・転載したものです。